ゆめうつつ

中身のない言葉達が嫌い。
表面だけの優しさが嫌い。
無意味な馴れ合いが嫌い。

普段は何とも思わないのだけれど、弱っていると色々なことに嫌悪感を抱く。
必死に蓋をしていた負の感情が漏れてしまう。用心深く隠しておいたのに。
善人を装っていただけにすぎず、むしろ腹黒い卑怯者だったことに今さら気付いた。

体の調子が良いときは、心の調子も良い状態を保てるようになった。
その分、調子が悪くなれば錯乱状態に陥る。

まだまだ私の魂は汚い。

否定的な言葉を口にする毎に醜くなる。

＊ ＊ ＊

もしも生まれ変わりというものが存在するなら、
どれだけ頭が悪くてもいいから、健康だけが取り柄の体育教師になりたい。そして、
「風邪？熱？自己管理を怠るからだろう、それは自業自得だ！」
と、無神経な言葉を言ってみたい。いつか言われたように。

もし人間以外に生まれていたら、あるいは一世紀前に生まれていたら、
私は真っ先に死んでしまっただろうと思う。
「弱者は死ぬ」
それが自然界の掟ならば、私はなぜ生き延びているのだろう。

今の私の気持ちなんて想像もできないほどの健康体に生まれ変わりたい。

もしくはプラナリアになりたい。

＊ ＊ ＊

痛い、痛い、と無意識に言ってしまう。
そのついでに、もう死にたい、と言った自分を恐いと思った。

新しい目標を見つけて、ヤル気に満ちていた翌朝に体調を崩してしまう、という皮肉。
痛い涙を流すとき、声は出ない。

やっぱり神様はいない。

＊ ＊ ＊

彼氏が好き。誰よりも大切な人。
がんばれ、なんてバカな励まし方をしない人。

私が独りで寂しくならないように、沢山のメールを送ってくれる。
あまり声が出せなくても、一生懸命に耳を澄ませて話を聞いてくれる。

「元気になったら、仔猫を見に行こうね」と言ってくれた。
かわいいロシアンブルーの女の子、まだいるかな。いつになったら行けるかな。

いつになったら彼氏に抱きしめてもらえるのかな。

彼がいなければ、私はとっくにスクラップになっていた。

＊ ＊ ＊

毎晩みる夢に、いつか連れ去られそう。